ミネラル研究の夜明け



 物質に含まれる元素の量を計るには、以前から原子吸光度測定装置などが使われてきました。しかし、含有量が比較的多いときにしか測定できませんでした。 
 たとえば海水の水の中のナトリウムを元素の質量として計りたいときなどに使われます。しかし、海水の中のウランの量などを計るとなると難しく、時間もお金もかかります。  
 ですから、動物、植物に含まれる微量元素の量を計るかどうかは、手間ひまをかけるだけの価値があるかどうかの判断によることになります。先人の科学者たちは、これらの微量元素の量を計ることがさほど重要だとも思わず、今まではあえてしていなかったのです。

 微量元素が人体にとって不可欠なものであるという認識がなかったので、これまで軽視されてきたのです。気体、液体、固体での含有量についてのみ、それも問題が発生した時にだけ計測されてきたということです。  しかし、ここにきてやっと転機が訪れました。 
 誘導結合プラズマ質量分折装置(ICP-ms)という測定器が4年前に市販されるようになったのです。2000万円程度の器械で、アルゴンガス5万円分があれば、すべての元素を、どんな物質の中にあろうと、非常に微量のものでも簡単に、測定できるようになったのです。
 人類はこの器械で、新たな科学の道を歩み始めたといっても過言ではありません。今までの原子吸光度測定装置はウソのデータを示していたのです。
 地球上には大昔の水もあります。シベリア、南極には、凍結保存された生物、無生物が豊富になります。地中、海中深く探索すれば、元素分析とその正確な量の情報から、貴重な無機物資源が、新たに多数発見されると思われます。

 微量ミネラルの計量ができるようになった現在、微量ミネラルの欠乏によってどういった病気が引き起こされるかという研究が、徐々に進んでゆくことが予想されます。
 ミネラルの研究は、五大栄養素の中でもっとも遅れていますが、私たちの体の基礎を作っている物質であることから、もっと積極的に研究されていかなければならない分野なのです。病気の研究、即ち代謝の研究は完全にやり直しであると考えられます。